武漢 広域で21日から新しい人流抑制制度開始

中国政府が景気優先のため新しい封鎖(ロックダウン)に関する指針を発表したが、感染者が拡大する武漢市では多くの小区・社区※で21日0時から5日間、従来のロックダウンで使用されている「控制」や「封閉」ではなく「静黙」という新しい人流抑制管理制度が開始された。
今回の静黙制度の内容は下記どおり
■スーパーと医薬店を除く商業施設は営業停止
■すべての飲食店は営業停止
■オフィスビルの勤務者は原則在宅勤務
■すべての工事現場は作業停止
■修理や内装工事、修理など小規模な工事も停止
■クリニック、小規模宿泊施設、理容美容、ネットカフェ、カラオケ、雀荘碁会所、浴場、映画館、劇本殺(マーダーミステリーなど)、バー、研修センターは停止
■各小区・社区は出入口を一か所に限定し、健康コードチェックを厳格化しヒトの出入りを管理
■小・中学校はリモート
■高校は校区厳格管理
■発熱や咳、味覚臭覚障害など新型コロナ肺炎の症状が出た場合は速やかに小区・社区に連絡、小区・社区は病院に該当者を行かせるとともに地区の閉鎖管理を行う

封鎖管理を実施していない小区・社区であれば健康コードが緑であれば食料品購入目的の外出は可能。
また工場など製造業の稼働は可能、従業員は健康コードが緑であれば出社できる。
現在武漢市および武漢市防疫指揮部からの正式な通達は確認できていないが小区・社区としての通達は確認できており、「あくまでの小区・社区の判断」としているようだ。

20日午後、上記措置の発表を受け武漢市のスーパーでは食料の買い込みが始まり午後7時頃には野菜などが売り切れになる店舗も多数見られた。各地区の通達では「5日間の措置」としているが上海の例もあり長期戦に備えているものと思われる。

一方21日16時現在、多くの日系企業の工場や日本人駐在員の住居区がある漢南技術開発区の飲食店には上記規制は行われておらず、本日も通常どおり営業を行っている。
そのため上記規制区域の漢口地区に住む日本人は同地区へ行けば普段通りの食生活が行えるという。

20日の武漢市の感染者は3904人。本日発表の20日の新たな感染者は189人、38か所が高リスク指定されている。

※小区・社区 中国における行政最小単位。日本でいう丁目レベルの大きさ。専属の管理委員が区域内のあらゆる管理を行うが、ゼロコロナ政策では感染者発生責務を負わされる。
大きさ順では 省 → 市村県 → 区 → 街道(通りや道の名前ではない)→ 小区・社区

ある社区での通達(社区名を隠しています)

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