元湖北省対外友好協会副会長の呉建民氏が21日武漢で死去されたことが確認された。60歳だった。
呉建民氏は湖南省出身。武漢大学で日本語を専攻し卒業後湖北省政府外事弁公室に入庁。その後福島県庁にて数年間研修するなど日本との交流を深め、研修後は語学力とともに湖北省内で最も日本をよく知る役人として日本との交流には欠かせない存在となった。
2009年11月の福島県議会日中友好議員連盟訪中時には当時友好協会秘書としてホスト役を担った。その後湖北省省外国専家局局長を経て対外友好協会副会長(会長は外事弁主任が兼任するので実質トップ)となった。
また2020年の新型コロナ肺炎で中国が外国人の入国を一時的に規制し、一時帰国していた日本人駐在員の中国への帰還が困難になった際に、湖北日本人有志会(当時は関西近畿会)主催の帰還チャーター機※の実現に向けて中国側で多大なる貢献をされた。
2020年の副会長退任後も、湖北省委外事工作委員会弁公室一級巡視員として対海外企業 とりわけ日本企業関係者と外事弁や省政府要職関係者との橋渡しに尽力していた。
呉建民氏は2021年春頃に体調を崩し入院、2021年秋に退院後自宅で療養。2022年2月には漢口の日本料理屋「八雲」で大好きな「手打ちそば」や「和牛すきやき」を食するなど元気を取り戻していた。6月に開催された新しい外事弁主任章主任主催の湖北日本人有志会田頭会長(当時)送別会には元気な姿で参加されていたという。
関係者によるとその宴席では60歳の定年退官後も「日本にかかわる仕事をする」と語っていたとのこと。
※2020年5月27日、6月15日、8月9日の3便に続きその後2021年までに合計7便を実施。フライト制限やビザ発行制限など困難を湖北省外事弁公室の協力で克服して実現した世界初の現地日本人会主催の海外拠点への帰還チャーター便。14日間の隔離ホテルを日本人専用の部屋の仕様や食事にするなど当時1月の政府手配のチャーター機帰国でのホテル三日月での隔離にちなんで「三日月in武漢合宿」と呼ばれた。
5月の武漢での実績のあと広州や上海の各地日本人会がチャーター機を飛ばし始めた。
ご冥福をお祈りします。お世話になりました。 合掌。
八雲で遅くまで飲んだ事、チャーター機の際は北京の民航局の許可取りに尽力頂頂いたこと。毎回チャーター機到着の際は一緒に空港に出張ってトラブル対応に備えていた…、など昨日のように思い出します。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
チャーター機発動の際は本当にお世話になりました。今でも御恩を忘れません。
江波戸裕